最近は小説を読むのも億劫なので文芸誌くらいがちょうどいい

八宝大華輪の季節です

今月の小説すばる京極夏彦の読み切りが面白いのです。この人の読み物は、彼の京極堂シリーズにしても、ええええ、そんなぁ、推理モノとしてずるくねぇ?と肩透かしを食らいつつ、どうにも憎めない面白さがある。キャラが立ってるから多少強引な展開でも「まぁ、コイツがこう言うならしょうがないかぁ…」と。
京極センセのお話ってエンターテイメントとして親切だよなーと思っていたら、やっぱり(?)このお方、広告会社勤めあり、デザイナーの顔を持つ妖怪オタクなんですよね。客観的な見方にこだわる広告系ってそういうとこがある気がする。でもセンセ、あの秋葉原徘徊組まがいのオープンフィンガーグローブはどうかと思うよ?別に止めませんけど。
しかし、このすばる。挿絵がまずい。作中の南極夏彦の風体は、私の想像では勝手に「らんま1/2」の八宝斎(画像)だったのに、42ページ目のこれ(見てない人はどうぞ書店へ)和田勉じゃーん。なんか悔しいよ。私の脳内に湧き出てきた妖怪ハッピーを返して欲しい。くそう。

FACELESS MAN今日の一曲はThe Boomの「真夏の奇跡」:ため息が出るほどメロメロなラヴソング。でも、宮沢和史はこの曲に90年代初頭の紛争(ユーゴだったかな?)への反戦メッセージを込めているんですよね。パンクでしか反社会・反政府は訴えられないと思っていた中学生の頃の私は、ディープなラヴで世界平和を願う悩ましげな宮沢に不思議な色気を感じつつ、国際社会を生きる立派な大人になろうと漠然と開眼したものです。そんな意に反し、ダメ成人になった今でもこの曲を聴くと深刻かつ複雑な気分になる。頭と身体が別物になるっちゅーか…。