ライブ@ライズ 漫才しろ!ますだおかだ〜あの人が台本書きました〜

フライヤー

昨晩はますだおかだの漫才を見ました。
上方しゃべくり漫才は私の中ではかなり異文化的な笑いのジャンルなのですけど、ボキャブラ芸人にはいまだになにやら親近感が湧くので。
会場は渋谷のシネマライズ、開始時間は21時30分と、なんともサブカル臭漂う催しだったのですが、それもそのはず、台本は増田氏作ではなく、他ジャンルの著名人からという演芸界のメディアミックス・コラボ企画。こういう実験的なもの、好きだわ。

一作目:大川興業大川総裁「選挙」
無茶苦茶な風刺モノでアウトオブ放送コード満載だと予想してたんですけど、比較的まともな時事ネタでした。ただ、大川総裁から最初にあがった原稿はかなりヤバい(原爆などセンシティブな)ネタだったらしく、勘弁してくれと、相当ますおかで手を加えたそうです。WOWOWが入ってたからねぇ。だからテレビって嫌いだよ。モラル的にどうであれ、作家の意図を捻じ曲げる圧力が…以下略。

二作目:落語界より柳家喬太郎師匠作「新鮮組
タイムスリップした二人が新鮮組の前で漫才するというもの。
客席に話しかけるのではなく、後ろを向いて、舞台の向こう側にいる(というシチュエーションで)新撰組に漫才をする、私の好きな「基本からくつがえし系」。お寒い岡田氏のボケが新撰組には大ウケでこちらに振り返って「オマエの笑いは江戸時代のもの」とメタにボケツッコミするいかにもキョンキョン師匠独特の斜め目線な笑いを作っていました。小粋な江戸落語のような設定に、爆笑というより「なるほどね」と言った感じ。ああそうさ、あたしゃこういうネタが好きな関東人さ。漫才ファンには、物足りなかったかも?

三作目:演出家の細川徹氏とイラストレーターの五月女ケイ子女史の夫婦合作物(タイトル忘れた)
シティボーイズの演出をされているだけあって、シュール、というかナンセンスな作品になっていました。増田氏がブリーフ姿にキューキューサンダル着用で無表情に登場、出オチで攻める感じが漫才というよりコント風でしたね。それを強引にボケツッコミの型にはめようとするから、むしろとっ散らかった印象が残りました。あれは…漫才好きには理解できない世界だよなぁ。私自身は嫌いじゃないけど、ますおかでなくてもいいと思ったよ。とにかく岡田氏が辛そうだった。

四作目:ヨーロッパ企画劇作家・演出家の上田誠氏作「ホームランの仕組み(だったかな?)」
岡田氏がホワイトボードを使用して、理論的にホームランの仕組みを説明しようとするネタだったのですが、面白かった。ホワイトボードと言えば大輪教授ですが、図を描いて話を進めるのって漫才だと相方もアドリブきかせやすいし、視覚からつっこめるから単純にお客ものってくるし、相性いいのかもなあ、と門外漢ながら楽しめました。ただ、どうしても書いていた図が最後に集約されるような大オチを期待してしまうのは、そっち方面好きの性ですよね。上方漫才でそこまでやったらあざといか。

五作目:漫才作家の片山良文氏作の正統派漫才(タイトル忘れた)
普通に面白かったです。ただ、私にとってやっぱり漫才は水じゃないのか、どんなネタだったかいまいち覚えていないのです。ペースがいいから勢いで笑い続けるような節があるのは、私の漫才修行不足ですわな。ただ、最近のますおか漫才に見られる「岡田がスベるための増田の前フリ的な申し訳程度のボケ」ではなく、しっかりボケてがっつりつっこむ姿が見られて、増田派としては喜ばしかったです。

エンドトークはますおかと喬太郎師匠と夫妻と上田氏とMCのよそよそしい評論で微妙な空気でした。若かりし頃の片岡鶴太郎似のMCが胡散臭くて一番目が離せなかったけど、サブカルの集まりだからしょうがないと。
最後に、増田氏がブリーフ姿にちょんまげヅラでコブクロの「永遠に共に」を歌うオマケは、結婚式の新郎代表の親戚一同ドン引きの余興に見えました。サービス過多だよー。でも悔しいけどウケるー。そんな感じ。

私はこの実験イベントは大変良かったと思うのですが、大阪でなく東京でやって正解かと。や、大阪がどんな場所かいまいち分からない関東育ちなんですけど、なんとなく。この気持ち、察して下さい。